令和8年度伝伝協「研修会」を開催しました(7/3・4 in島根県浜田市)

令和8年7月2日(金)・3日(土)に島根県浜田市において会員及び関係者36 名のご参加のもと、「石州和紙」に関する研修会を開催しました。

1日目は、西田和紙工房と石州和紙久保田の工房を訪ね、石州和紙の工房見学を行いました。人数の関係上、主に紙分野の会員と金工・漆工・木工・染織・道具分野の会員で班を分けて、それぞれに工房を見学させていただきました。

西田和紙工房では、西田 誠吉 一般会員のご案内のもと、楮の煮熟や抄紙・乾燥の様子を見学し、黒皮処理の仕方やネリ( トロロアオイ) の使用の他、材料・道具についてご説明いただきました。また、竹紙などこれまでに制作された多様な和紙を見せていただき、西田和紙工房の取り組みなど貴重なお話しをお伺いさせていただきました。さらに、近接する楮畑にもご案内いただきました。

石州和紙久保田では、久保田 総 後継会員と久保田 綾 後継会員のご案内のもと、塵取りや抄紙の様子などを見学させていただきました。楮・三椏・雁皮などの原料処理から抄紙・乾燥までの各工程において原料・材料と道具がどのように用いられているのか、また、石州和紙においては、数子・調子・捨水の3段階の工程が基本となり重要であることなど、様々に貴重なお話しをお伺いすることができました。

工房見学の後は宿泊施設へ向かい、同ホテル宴会場にて懇親会を開催しました。懇親会では、石見神楽宇野社中による岩見神楽の公演を鑑賞し、石州和紙でつくられる神楽の面や大蛇の胴体部分などを実際に触らせてもらいました。

2日目は、三隅中央会館を訪れ、後継者育成支援事業対象者による活動報告として、西田和紙工房の瀧山 由美 後継会員(師事会員:西田 誠吉 一般会員)より、紙漉きの一連の工程に関する研修についてご報告いただきました。続いて、隣接する石州和紙会館を見学し、石州和紙の制作工程を紹介する展示や映像資料を拝見しました。次いで、同じく三隅中央公園内にある石正美術館を見学し、企画展「彩る世界 画家が描いた空・地・水」を観覧しました。

見学後は場所を移動し、はまだお魚市場(山陰浜田港公設市場)を訪ねた後、松尾ホテルの宴会場にて昼食会を開催し、浜田の方々とも交流を深めることができました。

今回、様々な分野の技術者・職人が会して意見交換・技術交流することの意義は大きく、また、会員相互や関係者だけではなく、石州和紙に関わる方々や浜田市で文化財保護に携わる方々とも交流を深めることができ、本研修会は非常に有意義なものであったと感じています。本研修会が皆様方にとって、会員相互や関係者との交流の場となり、装潢文化財修理及び他の分野の技術について理解を深める機会となっておりましたら、幸いです。